賃貸住宅やマンションで防犯対策を考えると、「ホームセキュリティは取り付けられる?」「賃貸だから工事はできない?」「オートロックがあれば自室の対策までは必要ない?」といった疑問が出てきます。
結論からいうと、賃貸住宅やマンションでも、ホームセキュリティや後付けの防犯機器を検討できます。
ただし、戸建てと同じ感覚で好きな場所へ機器を取り付けられるとは限りません。確認したいのは、
- 賃貸住宅なのか、分譲マンションなのか
- どこへ機器を取り付けるのか
- 穴あけやねじ止めなどの加工を伴うのか
- 賃貸借契約やマンション管理規約ではどう扱われているか
- 退去時に取り外して元の状態へ戻せるか
といった点です。
また、オートロックや共用の防犯カメラがある建物でも、それだけで自室の玄関や窓、室内まで守れるわけではありません。
この記事では警備会社や防犯機器をランキング形式で紹介するのではなく、賃貸・マンションという住まいの制約を踏まえ、自宅ではどこまでセルフ防犯を追加するのか、警備会社まで検討するのかを判断するための確認ポイントを整理します。
※警備会社型・セルフ防犯型・併用型の基本的な違いから確認したい方は、「ホームセキュリティの選び方|警備会社・セルフ防犯・併用型の違いを解説」を先にご覧ください。戸建て住宅の場合は「戸建てにホームセキュリティは必要?防犯対策の考え方と警備会社を検討するポイント」で整理しています。
賃貸・マンションでもホームセキュリティは検討できる

「賃貸だからホームセキュリティは使えない」と一律に考える必要はありません。
一方で、「穴を開けなければ何を取り付けてもよい」と考えるのも適切ではありません。
最初に、自分がどのような立場でその住宅に住んでいるのかを整理しましょう。
賃貸だから一律に設置できないわけではない
賃貸住宅でも、
- 後付けの補助錠
- 開閉センサー
- 人感センサー
- 室内に置く防犯カメラ
- 後付け型スマートロック
- 警備会社型ホームセキュリティ
などを検討できる場合があります。
ただし、製品や設置方法によっては、玄関ドア、窓、壁などへ機器を固定する必要があります。
穴あけをしなくても、強力な両面テープを使ったり、ドアやサッシへ機器を挟み込んで固定したりすれば、取り外した際に跡や傷が残る可能性があります。
そのため、工事の有無だけではなく、賃貸借契約、物件ごとのルール、退去時の原状回復まで確認することが重要です。
すでに建物へホームセキュリティが付いている賃貸もある
賃貸住宅の中には、建物の設備として警備会社のホームセキュリティが最初から用意されている物件もあります。この場合、入居者が別に契約しなくても利用できることがあります。
自分で機器を買い足す前に、
- 入居時に受け取った書類や設備一覧
- 室内に警備会社名の入った操作パネルがないか
- 管理会社への確認
を先に済ませておくと、重複した契約や不要な出費を避けやすくなります。
分譲マンションでもすべて自由に変更できるわけではない
自分で購入した分譲マンションでも、住戸に関係するすべての場所を自由に加工できるとは限りません。
マンションには、
- 自分が所有する専有部分
- 建物全体で管理する共用部分
- 共用部分ではあるものの、特定の住戸が使うことを認められた専用使用部分
があります。
玄関ドア、窓、バルコニーなどは、見た目には自分の住戸だけが使っている場所でも、管理規約上は共用部分として扱われる箇所があります。
したがって、防犯機器を設置するときは、
自分の住戸だから付けてよい
ではなく、
この場所は自分のマンションの管理規約ではどのように扱われているか
を確認する必要があります。
分譲マンションを借りている場合は両方のルールを確認する
もうひとつ注意したいのが、分譲マンションの一室を借りている「分譲賃貸」です。
この場合は、借主としての賃貸借契約だけでなく、建物としてのマンション管理規約や使用細則も関係します。
区分所有法では、専有部分を借りて住んでいる人も、建物や敷地の使用方法については、区分所有者が管理規約や集会の決議に基づいて負うのと同じ義務を負うとされているためです(区分所有法第46条第2項)。
「賃貸だから賃貸借契約だけ見ればよい」と決めず、管理会社や貸主へ確認しておくと判断しやすくなります。
賃貸・マンションでも防犯対策は検討できますが、工事の有無だけで判断せず、賃貸借契約・物件ルール・原状回復まで確認します。
最初に確認するのは賃貸借契約とマンション管理規約
防犯機器を購入する前に、まず自宅に適用されるルールを確認しましょう。
同じ「マンション」でも、物件によって設置できる設備や必要な手続きは異なります。
- どこへ機器を取り付けるか
- 穴あけ、ねじ止め、固定方法はどうするか
- 賃貸借契約や管理規約でどう扱われているか
- 撤去・原状回復時にどうなるか
賃貸住宅で確認したいこと
賃貸住宅では、賃貸借契約書や特約などから、
- 壁・ドアなどへの加工
- 工作物や設備の取り付け
- 鍵や錠前の変更
- 退去時の撤去
- 原状回復
に関する記載を確認します。
契約書だけでは判断できない場合は、管理会社や貸主へ確認します。
特に、警備会社の機器やスマートロックなどを玄関ドアへ取り付ける場合は、
どこへ、どのような方法で、何を取り付ける予定なのか
を具体的に伝えた方が確認しやすくなります。
分譲マンションで確認したいこと
分譲マンションでは、
- マンション管理規約
- 使用細則
- 専有部分の工事に関するルール
などを確認します。
特に見ておきたいのが、玄関ドア、窓・サッシ、バルコニー、共用廊下、外壁などの扱いです。
自室内の工事であっても、内容によっては事前の申請が必要になる場合があります。「小さなセンサーだから問題ないだろう」と自己判断せず、設置場所と固定方法まで含めて確認しましょう。
マンション標準管理規約は個別マンションの規約そのものではない
マンションのルールを調べると、国土交通省の「マンション標準管理規約」が出てくることがあります。
これは各マンションが管理規約を作成・改正するときのひな型として示されているもので、すべてのマンションへそのまま適用される個別の管理規約ではありません。
このひな型では、たとえば次のように整理されています。
- 玄関扉のうち、錠と内部塗装部分は専有部分とし、それ以外の部分は専有部分に含めない
- 窓枠と窓ガラスは専有部分に含めない
- バルコニーは共用部分の範囲に含めたうえで、住戸ごとに専用使用権を認める
- 専有部分の工事でも、共用部分や他の専有部分へ影響を与えるおそれがあるものは、事前に申請して承認を受ける
同じ玄関ドアでも部分によって扱いが変わり得る、という考え方が示されている点は参考になります。
ただし、これはあくまでひな型上の整理です。
標準管理規約ではこう書かれているから、自宅でも必ず同じ
とは判断しない方が安全です。標準的な考え方を押さえたうえで、最終的には自分が住むマンションの管理規約と使用細則を確認しましょう。
玄関・窓・バルコニー・共用部分は分けて考える
賃貸・マンションの防犯対策で大切なのは、住宅全体をひとまとめにしないことです。
玄関、窓、バルコニー、共用廊下では、それぞれ確認したい内容が違います。
マンション全体をひとまとめにせず、玄関・窓・バルコニー・共用部分ごとに、設置場所とルールを分けて確認します。
玄関ドア|室内側と共用廊下側で扱いが変わることがある
玄関では最初に、
- 現在の鍵や錠の状態
- 補助錠を追加する必要があるか
- スマートロックを取り付けられるか
- 開閉センサーを設置するか
などを考えます。
ここで注意したいのが、玄関ドアの室内側へ後付けする機器と、共用廊下側へ露出する機器では扱いが異なる可能性があることです。
たとえば後付け型スマートロックには、室内側のサムターンへ両面テープなどで取り付ける製品があります。工事を避けやすい方式ですが、
- 自宅のサムターンへ適合するか
- 取り外した際にドア表面へ影響しないか
- 賃貸借契約や管理規約の上で問題がないか
は、それぞれ別に確認する必要があります。
スマートロックの適合条件、電池切れ、締め出し対策については「家庭用スマートロックの選び方|後付け・賃貸・電池切れ・締め出し対策の確認ポイント」で詳しく解説しています。
窓|補助錠やセンサーの取り付け方法を確認する
マンションでも、玄関だけでなく窓を確認します。
特に、
- バルコニーに面した窓
- 共用廊下側の窓
- 屋根や設備などから外部の人が近づける位置にある窓
は、自宅の状況を見ながら確認しましょう。
セルフ防犯では、補助錠、開閉センサー、振動などを検知する機器が候補になります。
ただし、窓やサッシへの加工が可能かどうかは物件によって異なります。挟み込み式など穴あけを避けられる機器でも、サッシへ過度な力をかけたり、開閉を妨げたりしないか確認が必要です。
バルコニー|防犯だけでなく避難経路も確認する
バルコニーは自室からしか出入りしないように見えても、マンションでは共用部分として扱われることがあります。
また、バルコニーには、
- 隣戸との隔て板
- 避難ハッチ
など、非常時の避難に使用する設備が設けられていることがあります。
防犯カメラやセンサーなどを追加するときも、避難の妨げにならないことが前提です。
防犯だけを考えて物を置くのではなく、管理規約や使用細則、避難設備の位置を確認したうえで設置場所を決めましょう。
共用廊下|「設置してよいか」と「その画角で撮ってよいか」は別
玄関前を確認したいからといって、共用廊下へ向けて個人用の防犯カメラを自由に設置できるとは限りません。
ここでは、次の2つを分けて考えます。
1.その場所へ機器を設置してよいか
カメラ本体を玄関ドアの外側や共用部へ固定すること自体が、管理規約や賃貸借契約の上での確認対象になる場合があります。
2.その画角で撮影してよいか
共用廊下には、他の住民、配送業者、来訪者などが通ります。カメラの位置や向きによっては、他の住戸の玄関や人の出入りを継続的に撮影することになります。
共用部を撮影するカメラを検討するなら、設置前に管理会社や管理組合へ確認し、撮影範囲についても配慮しましょう。
防犯カメラの録画方法や設置場所、電源、月額費用、プライバシーへの配慮については「家庭用防犯カメラの選び方|設置場所・録画方法・月額・プライバシーの確認ポイント」で詳しく整理しています。
オートロックや共用防犯設備だけで判断しない
マンションでは、建物そのものに防犯設備が設けられていることがあります。代表的なのが、
- オートロック
- 共用の防犯カメラ
- モニター付きインターホン
- 管理人
などです。
これらは重要な設備ですが、自室の防犯対策とまったく同じ役割ではありません。
オートロックは建物入口の防犯設備
オートロックは、誰でも自由にエントランスから入れる状態に比べれば、建物内への立ち入りを制限する設備になります。
ただし、オートロックがあるからといって、
- 自室玄関を施錠しなくてよい
- 窓の対策は必要ない
- 建物内へ不審者が入る可能性はない
ということにはなりません。
住民の出入りに合わせて建物内へ入られる可能性なども考えられるため、共用エントランスと自室玄関は別の防犯ポイントとして考えましょう。
階数だけで安全・危険を決めない
「高層階だから安全」「1階だから危険」と、階数だけで判断するのも避けたいところです。
確認したいのは階数そのものではなく、自室の玄関や窓へ、どのような経路で人が近づけるかです。
バルコニー、共用廊下、屋外階段、隣接する建物や設備など、自宅の位置関係を見ながら確認しましょう。
管理人・共用カメラと自室の防犯は役割が違う
管理人や共用の防犯カメラは、建物や共用部分の管理・防犯に役立ちます。
一方で、
- 自室の窓が開いた
- 玄関ドアが開いた
- 室内に人が入った
といった異常を、自室専用のセンサーのように検知する設備とは限りません。
また、異常が起きたあとに誰が現地対応するのかも確認したいポイントです。
建物に防犯設備があるかだけを見るのではなく、自分の住戸について、どこまで守れていて、何が足りないのかを確認しましょう。
建物全体の防犯は管理組合へ相談する方法もある
分譲マンションの場合、自室だけで考えるほかに、建物全体の防犯設備を管理組合へ相談するという選択肢もあります。
オートロック設備や防犯カメラ・防犯灯など、共用部分に関わる防犯設備を追加する場合は、総会での決議が必要になることがあります。どの工事にどの決議が必要かは、工事の内容や各マンションの管理規約によって変わります。
実際にどのような手続きが必要かは、自分のマンションの管理規約と工事の内容を確認する必要があります。共用部分の防犯を強化したい場合は、まず管理組合や管理会社へ相談してみましょう。
賃貸・マンションで後付けしやすい防犯対策
大きな工事を避けたい場合は、後付けできる防犯機器から検討する方法があります。
ここで大切なのは「どの製品が一番よいか」ではなく、それぞれの役割を分けることです。
補助錠|侵入に手間をかけさせる
玄関や窓に追加する補助錠は、既存の鍵に加えて施錠箇所を増やすための設備です。侵入そのものに手間をかけさせる役割があります。
賃貸では、穴あけを避けられる挟み込み式なども候補になります。ただし、
- ドアやサッシに取り付けられるか
- 開閉を妨げないか
- 締め付けによって傷や変形が生じないか
は確認しておきましょう。
開閉・人感センサー|異常に気づく
開閉センサーは玄関や窓が開いたことを、人感センサーは室内などでの人の動きを検知します。製品によっては、スマートフォンへ通知を送れるものもあります。
こうしたセンサーを使うと、自分が見ていない場所で変化があったことに気づく仕組みを追加できます。
ただし、電池切れや通信環境、誤検知もあるため、設置すれば終わりではありません。さらに重要なのは、通知が届いたあとにどうするかです。
防犯カメラ・スマートロック|役割を分けて考える
家庭用防犯カメラは、映像を確認する、記録を残す、人物などを検知して通知する、といった用途に使えます。賃貸では、壁や天井へ固定せず室内の棚などへ据え置く方法なら、工事を避けやすい場合があります。
スマートロックは、玄関の施錠・解錠を管理する設備です。オートロック機能、施解錠履歴、指紋や暗証番号での解錠、外出先からの状態確認などを利用できる製品があります。
ただし、どちらも住宅全体の防犯を完成させる設備ではありません。
- カメラは、玄関や窓を物理的に施錠する設備ではない
- スマートロックは玄関の施錠を扱う設備であり、窓や異常後の対応は別に考える必要がある
という点を押さえたうえで、必要な役割から組み合わせていきましょう。
穴あけなしでも設置方法と原状回復を確認する
賃貸住宅でよくある誤解が、
穴を開けなければ何を付けても問題ない
という考え方です。実際には、穴あけ以外の固定方法でも確認したいことがあります。
ねじ止め・穴あけを伴う場合
壁、ドア、サッシなどへ穴を開けたり、ねじで固定したりする場合は、設置前に契約・規約を確認します。
特に玄関ドア、窓サッシ、外壁、共用部分などは、自己判断で加工しない方がよいでしょう。
警備会社の機器を設置する場合も、現地調査のときにどこへ、どのように固定する予定なのかを確認しておきます。
粘着テープ・マグネット・挟み込み式の場合
穴あけをしない方法でも、次のような点を確認しておきましょう。
| 固定方法 | 確認したいこと |
|---|---|
| 粘着テープ | 取り外す際に塗装や表面材へ影響する可能性がある |
| マグネット | 設置場所の材質によって使えない。ずれや落下、接触部分の傷 |
| 挟み込み式 | 強く締めすぎると、取り付ける枠などへ負担をかける可能性がある |
固定方法だけで「賃貸向け」と判断せず、自宅の材質やメーカーが示す施工方法も確認しましょう。
退去時にどの状態へ戻す必要があるか確認する
原状回復で見落としやすいのは、取り付けるときよりも外すときです。
たとえばスマートロックやセンサーが問題なく使えていても、数年後に撤去するときに粘着剤が残ったり、表面材が傷んだりする可能性があります。
- 取り付け方法
- 取り外し方法
- 粘着剤や固定跡など撤去時の影響
- 元の状態へ戻せるか
なお、賃貸住宅の原状回復については、国土交通省が「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」で一般的な考え方を示しています。ただしこれは法律そのものではなく、実際の負担は住宅の状態や契約内容によって変わります。「粘着テープなら必ず費用がかからない」「傷が付けば必ず○円」と一律に判断することはできません。
警備会社型ホームセキュリティを検討するときの確認ポイント
セルフ防犯だけではなく、セコムやALSOKなど警備会社型のホームセキュリティを賃貸・マンションで検討することもできます。
ただし、会社を比較する前に、自宅へ実際にどのように設置するのかを確認しましょう。
- どの機器を、どこへ、どう取り付けるか
- 貸主・管理会社・管理組合への確認が必要か
- 鍵預かりや契約条件
- 転居時の移設・撤去・途中解約の扱い
集合住宅・賃貸向けのサービスがあるか確認する
大手警備会社は、集合住宅向けのサービスを公式サイトで案内しています。
- セコム:マンション・アパート向けのページで、マンションやアパートの一室から導入できると案内しています。賃貸住宅の場合は、導入について貸主(管理会社・大家)へ事前に相談するよう記載されています
- ALSOK:集合住宅向けの「HOME ALSOK アパート・マンションプラン」があり、住戸ごとの導入と建物全体の一括導入の両方を案内しています。賃貸住宅向けには据え置き型のコントローラーも紹介されています
ここで注意したいのは、こうした案内をそのまま「工事が一切ない」と読み替えないことです。
機器構成や施工方法は住宅ごとに変わる可能性があります。「ワイヤレスだから一切工事がない」と決めつけず、自宅用の見積もり内容で判断しましょう。
見積もり時には、玄関・窓・室内のどこを警戒するのかを整理したうえで、どの機器を、どの場所へ、どの方法で取り付けるのかを確認します。
貸主・管理会社・管理組合への確認
賃貸住宅やマンションで警備会社の機器を設置する場合は、見積もりの段階で、貸主・管理会社・管理組合などへの確認が必要かを警備会社にも聞いておきましょう。
自分から管理会社へ相談するときも、
ホームセキュリティを付けたい
だけではなく、
玄関ドアの室内側へセンサーを貼り付ける予定で、穴あけは行わない
というように、施工内容まで伝える方が確認してもらいやすくなります。
鍵預かり・契約期間・引っ越し時の扱い
警備会社型では、異常時に住戸内を確認するため、契約内容によって鍵を預ける仕組みがあります。また、一定の契約期間が設定されているサービスもあります。
賃貸の場合は特に、
- 数年以内に転居する可能性があるか
- 引っ越す場合に移設できるか
- 機器を撤去するときはどうなるか
- 途中解約時の条件
まで確認しておきましょう。
料金の考え方そのものを整理したい場合は「ホームセキュリティの料金は何で決まる?月額・初期費用・機器代の仕組みを解説」もあわせてご覧ください。
見積もり前に整理しておきたいこと
警備会社へ相談する前に、次の項目を整理しておくと話が進みやすくなります。
- 賃貸・分譲・分譲賃貸のどれか
- 間取りと階数
- 玄関や窓など気になる場所
- オートロックなど現在の共用防犯設備
- 火災監視や非常通報も必要か
- 通知だけでよいか、現地対応まで必要か
- 取り付け方法に制限があるか
- 引っ越しの可能性
- 予算
料金だけでなく、自宅ではどこまで守りたいかをそろえて見積もることが大切です。
具体的な会社を比べる段階に進んだら
自宅の条件が整理でき、警備会社を比べる段階に進んだら、次の記事で確認できます。
- 全国大手2社を比べる場合:「セコムとALSOKを比較|料金・駆けつけ・契約条件の違いと見積もりの比べ方」
- セコムを個別に確認する場合:「セコムのホームセキュリティの料金・特徴|向いている人と見積もり前の確認ポイント」
- ALSOKを個別に確認する場合:「ALSOKのホームセキュリティの料金・特徴|オンラインとセルフの違いも解説」
- 関西で地域の会社も候補に入れる場合:「関西でホームセキュリティを選ぶなら?関電SOS・セコム・ALSOKの違いと見積もりの比べ方」
セルフ防犯と警備会社、どこまで必要?
賃貸・マンションだから警備会社が必要とも、オートロックがあるからセルフ防犯だけで十分とも、一律には決められません。
【セルフ防犯を検討しやすい】
- 通知後の確認・判断を自分で担える
- 必要な場所から対策を追加したい
【警備会社型も比較したい】
- 通知を確認できない時間がある
- 異常時の現地対応まで任せたい
セルフ防犯中心でも検討しやすい場合
たとえば、
- スマートフォンの通知を比較的すぐ確認できる
- 異常時に自分で状況を確認・判断できる
- 毎月の固定費をできるだけ抑えたい
- 大きな工事を避けたい
- 気になる場所だけ少しずつ対策したい
という場合は、セルフ防犯を中心に考える方法があります。補助錠、開閉センサー、防犯カメラ、スマートロックなどを必要な場所へ組み合わせます。
ただし、通知を自分で見る方式では、仕事中や就寝中など通知へ対応できない時間をどうするかも考えておきましょう。
警備会社型を具体的に検討しやすい場合
一方、
- 仕事中などスマートフォンを確認できない時間が長い
- 異常時の現地確認まで自分で対応したくない
- 夜間・就寝中も含めて異常時の対応を任せたい
- 家を空ける時間が長い
- 防犯だけでなく非常通報なども検討したい
という場合は、警備会社型を具体的に比較する理由があります。
ここで重要なのは「マンションだから必要か」ではありません。自分が対応できない時間の異常を、誰に任せたいかで考えましょう。
警備会社とセルフ防犯機器を組み合わせる方法
すべてをひとつの機器やサービスへ任せる必要もありません。
たとえば、
- 鍵・補助錠で侵入されにくくする
- カメラやセンサーで異常に気づく
- 必要な部分だけ警備会社へ対応を任せる
という組み合わせ方もできます。
大切なのは、カメラ、スマートロック、警備会社を「どれが一番優れているか」で比べることではありません。
それぞれが、
侵入されにくくする → 異常に気づく → 異常後に対応する
のどこを担当するかを考えて組み合わせましょう。
住まい方によって確認したいことは変わる
同じマンションでも、住んでいる人によって必要な対策は変わります。
家族構成だけで必要性を決めず、実際に自宅が無人になる時間と、異常時に対応できる人がいるかを確認しましょう。
一人暮らしの場合
一人暮らしでは、外出中だけでなく在宅中の防犯も考えます。
- 帰宅時に建物の入口や玄関前の様子を確認できるか
- 玄関を確実に施錠できるか
- 在宅中に来訪者があったときの対応方法
- 外出中の異常通知を確認できるか
一人暮らしだから必ず警備会社が必要というわけではありません。ただし、自分以外に対応できる人がいないため、異常時の現地対応を誰へ任せるかは考えておきたいポイントです。
子どもや高齢の家族がいる場合
家族が使う設備では、防犯性能だけでなく、全員が無理なく操作できるかが重要になります。
- 子どもが自分で施錠・解錠できるか
- 警戒の設定・解除の操作が難しくないか
- 誤操作したときにどう対応するか
- 非常時に簡単に通報できるか
- 家族へ状況を知らせる必要があるか
警備会社には、防犯以外の非常通報や見守りに対応するサービスもあります。必要な場合は、防犯機能だけで比較しない方がよいでしょう。
転居の可能性がある場合
賃貸では、対策を決める前に「いつまでその家に住むか」も判断材料になります。
数年以内に引っ越す可能性があるなら、契約期間のあるサービスより、持ち運べる機器から始める方が合っている場合もあります。反対に長く住む予定なら、初期費用をかけた対策も検討しやすくなります。
引っ越し・物件選びの段階なら防犯設備も確認する
まだ入居前で物件を選べる段階なら、後から設備を追加するだけでなく、最初から建物の防犯環境を確認しておく方法があります。
内見時に確認したい防犯ポイント
内見時には室内の広さや設備だけでなく、次のような場所も確認してみましょう。
- 玄関の鍵
- モニター付きインターホン
- 窓の施錠設備
- バルコニー周辺
- オートロック
- 共用の防犯カメラ
- エントランス
- 共用廊下
- 階段・エレベーター周辺
- 夜間に暗くなりそうな場所
設備が多ければ絶対に安全、という意味ではありません。
重要なのは、建物へ入ってから自室までの間にどのような防犯設備があり、自室では何を追加する必要がありそうかを考えることです。
また、入居後にスマートロックやセンサーを付けてもよいかなども、契約前に確認できれば判断材料になります。
管理会社・貸主へ確認したい質問
設置を検討している機器がある場合は、次のように具体的に質問すると確認しやすくなります。
- 玄関ドアの室内側へ後付けスマートロックを取り付けてもよいですか?
- 両面テープで固定する開閉センサーを取り付けてもよいですか?
- 窓へ、穴あけをしない挟み込み式の補助錠を追加できますか?
- 警備会社のホームセキュリティを契約する場合、事前の申請や確認は必要ですか?
- 機器を取り外す際の原状回復について決まりはありますか?
- 玄関外側や共用廊下を撮影する防犯カメラについてルールはありますか?
「防犯機器を付けてもいいですか?」だけでなく、設置場所と固定方法まで伝えるのがポイントです。
まとめ|住まいのルールを確認してから必要な防犯を追加する
賃貸住宅やマンションでも、ホームセキュリティや後付けの防犯機器を検討できます。
ただし、
賃貸だからできない
分譲だから自由
穴を開けなければ何でもよい
という単純な分け方では判断できません。
まず確認したいのは、次の6点です。
- 賃貸・分譲・分譲賃貸のどれか
- 賃貸借契約や管理規約ではどうなっているか
- 玄関・窓・バルコニーなど、どこを守りたいか
- どのような方法で機器を取り付けるか
- 退去・撤去時に元へ戻せるか
- 異常が起きたあと、自分で対応するか、警備会社へ任せるか
セルフ防犯で十分か、警備会社まで必要か迷ったら、
通知を受け取ったあと、自分がすぐ確認・判断・対応できるか
を考えてみましょう。
自分で対応できるなら、補助錠、センサー、防犯カメラ、スマートロックなどを必要な場所から追加する方法があります。自分が対応できない時間まで含めて備えたいなら、警備会社型ホームセキュリティを具体的に比較する理由があります。
「マンションだから」ではなく、「自分の住まいのルールと暮らし方では、どこまでの防犯が必要か」から決める。
その順番で考えると、自宅に合った防犯対策を選びやすくなります。
情報確認日:2026年8月25日
※賃貸住宅・分譲マンションでの機器の設置可否、必要な手続き、原状回復の扱いは、契約内容・管理規約・使用細則・住宅の状況によって異なります。必要に応じて管理会社・貸主・管理組合へ確認してください。また、料金・プラン・契約条件は変更される場合があるため、各社の最新の公式情報をご確認ください。
※本文で引用したマンション標準管理規約は、国土交通省が令和7年(2025年)10月17日に改正した単棟型(コメント含む)に基づいています。

