防犯機器

家庭用スマートロックの選び方|後付け・賃貸・電池切れ・締め出し対策の確認ポイント

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玄関ドアに設置したスマートロックのイメージ画像

家庭用スマートロックを探し始めると、「自宅の鍵に後付けできる?」「賃貸でも使える?」「オートロックで締め出されない?」「電池が切れたら家に入れなくなる?」といった疑問が出てきます。

スマートフォンで玄関の鍵を操作できることに目が向きやすいものの、購入前にまず確認したいのは自宅のドアへ正しく取り付けられ、家族全員がトラブルなく使えるかです。

特に後付け型のスマートロックでは、サムターンの形や周囲のスペースによって取り付けられないことがあります。また、オートロックは施錠忘れ対策として便利な一方、スマートフォンや鍵を持たずに外へ出れば締め出される可能性もあります。

この記事では製品をランキング形式で順位づけするのではなく、

  • 自宅の鍵へ取り付けられるか
  • どの解錠方法が家族に合うか
  • オートロックによる締め出しをどう防ぐか
  • 電池切れや通信障害時にどう解錠するか
  • 賃貸・マンションで何を確認するか
  • スマートロックが防犯上できること・できないこと

を順番に整理します。

「便利そうだから買う」のではなく、自宅で無理なく使い続けられるスマートロックを選ぶための確認材料として参考にしてください。

※警備会社へ任せる方式と、自分で防犯機器を管理する方式そのものから迷っている場合は、先に「ホームセキュリティの選び方|警備会社・セルフ防犯・併用型の違いを解説」をご覧ください。


家庭用スマートロックは何を基準に選ぶ?

家庭用スマートロックを選ぶとき、最初からメーカーや製品名を決める必要はありません。

まず確認したいのは次の5点です。

確認項目主に見ること
1.取り付け自宅のサムターン形状、寸法、周囲のスペース
2.解錠方法スマホ、指紋、暗証番号、ICカード、専用キーなど
3.締め出し対策オートロック使用時に別の解錠手段があるか
4.障害時の対応電池切れ、通信障害、スマホ紛失時にどう入るか
5.住まいの条件賃貸借契約、管理規約、取り付け方法、原状回復

高機能な製品でも、自宅のサムターンへ取り付けられなければ使えません。

反対に、スマートフォンだけで十分な一人暮らしと、子どもや高齢の家族も出入りする家庭では、必要な解錠方法が違います。

「機能が多い製品」ではなく、自宅の鍵と生活に合う製品という順番で考えましょう。

玄関ドアの後付けスマートロックを操作する男性

スマートロックでできること

家庭用スマートロックには、製品や組み合わせる周辺機器によって、

  • スマートフォンからの施錠・解錠
  • オートロック
  • ハンズフリー解錠
  • 指紋認証・顔認証
  • 暗証番号
  • ICカード
  • 専用のリモコンキー・スマートキー
  • 施解錠履歴の確認
  • 外出先からの状態確認・遠隔操作

などの機能があります。

ただし、これらがすべて本体だけで利用できるわけではありません。

たとえば外出先からの遠隔操作は、主要4シリーズのいずれも本体とは別の機器を必要とする案内になっています。SwitchBotはハブ製品、SESAMEはHub3、SADIOT LOCK 2はSADIOT LOCK Hub2(またはMatter対応のHub2M)、Nature LockはNature Remoシリーズとの連携が前提です。

購入時は本体価格だけでなく、自分が使いたい機能には何が必要なのかまで確認しましょう。

後付け型は既存のサムターンを動かす

家庭向けで導入しやすいのが、玄関ドアの室内側にあるサムターンへ本体を取り付ける後付け型です。

既存のサムターンをモーターで回すため、大がかりな鍵交換をせずにスマートロック化できる製品があります。

この方式は屋外側のシリンダー(鍵穴)に手を加えないため、物理鍵を予備の解錠手段として持ち続けることもできます。

ただし、「後付けできる」と書かれている製品ならどの玄関にも付くという意味ではありません。

購入前の適合確認が重要です。


購入前に自宅の鍵へ後付けできるか確認する

スマートロック選びで最初に確認したいのが、自宅の鍵に取り付けられるかです。

価格や解錠機能を比較する前に、サムターンとその周囲を確認しましょう。

サムターンの形・高さ・回し方を確認する

後付け型スマートロックは、サムターンをつかんで回転させます。

そのため、

  • サムターンの形
  • つまみの幅や厚み
  • サムターンの高さ
  • 回転角度
  • どのように操作すると解錠できるか

を確認する必要があります。

標準的なサムターンなら付属アタッチメントなどで対応できる製品がありますが、特殊な操作が必要な鍵では注意が必要です。

たとえばSwitchBotの公式適合ページでは、「つまみを起こして回す」タイプのパタンテには対応できる一方、「起こしたうえで扉側へ押しながら回す」タイプには対応できないと案内しています。

Natureも、しずく型・四角型・丸型など特殊な形状のつまみには取り付けできないとしたうえで、つまみを回す角度についても対応範囲を公式で示しています。

つまり、

見た目が似ているから付くだろう

と判断するのではなく、購入予定メーカーの適合表や取り付け条件で確認することが大切です。

ドア枠やハンドルとの間に本体を置けるか確認する

サムターン自体に対応していても、本体を取り付けるスペースがなければ設置できません。

確認したいのは、

  • サムターンとドア枠の距離
  • ドアハンドルとの距離
  • 本体を貼り付けられる平面
  • ドアを閉めたときに本体が干渉しないか

などです。

各社とも「つまみの中心からドア枠までの距離」や「本体を置ける縦横のスペース」について具体的な数値基準を公開していますが、その数値は製品ごとに異なります。Natureのように、電池交換のために本体の上や横に追加のスペースが必要と案内している製品もあります。

「○mmあればどの製品でも設置できる」とは考えず、購入予定製品の公式寸法を確認しましょう。

購入前にスマートフォンで玄関のサムターン周辺を撮影し、必要な部分を実測しておくと確認しやすくなります。

特殊な鍵はメーカーのアダプター対応も確認する

標準アタッチメントでは取り付けられなくても、専用パーツで対応できる場合があります。

SwitchBotでは、特殊なサムターンについて写真をサポートセンターへ送り、3Dプリンター部品を相談できる仕組みを案内しています。

CANDY HOUSE(SESAME)でも、よくある鍵向けの特殊アダプターを3Dプリンターで製作して販売しており、当てはまるものがない場合は鍵の写真を添えてメールで問い合わせるよう案内しています。

「対応表に載っていない=絶対に使えない」と即断せず、メーカーサポートへ写真を送って確認できるかも見ておきましょう。

一方、専用アダプターを使っても対応できない鍵はあります。

購入前の問い合わせ結果を残しておくと、機種変更時や買い替え時にも役立ちます。

「対応率」の数字と、返品条件も見ておく

メーカーによっては「◯%の鍵に対応」といった適合率を掲げていますが、これは多くの鍵に対応するという意味であって、自宅で必ず使える保証ではありません。

さらに、取り付けられなかった場合の扱いはメーカーによって異なります。

たとえばNatureは、購入後にNature Lockを取り付けられなかった場合でも返品・返金には応じないため、必ず購入前に取り付け可否を確認してほしいと明記しています。

各社とも購入前に確認できる適合チェックの手順を用意しています。数分で終わる作業なので、購入前に必ず通しておきましょう。

ポイント
  • サムターンの形・回し方が対応範囲か
  • 本体を置くスペースや電池交換用の余白があるか
  • 判断できない場合は写真・寸法を使ってメーカーへ確認する

賃貸・マンションで取り付けるときの注意点

後付け型スマートロックは工事を避けやすいため、賃貸住宅でも候補にしやすい製品です。

ただし、

穴を開けないから何も確認しなくてよい

とは考えない方が安全です。

両面テープでも原状回復を確認する

後付け製品では、強力な両面テープで本体を固定するタイプがあります。

取り付けるときはメーカーの手順に従い、ドア表面の汚れや油分を除去してから固定します。

貼り直す際に新しい固定用テープが必要になる製品もあります。位置を決めずに何度も貼り直せる前提では考えず、メーカーの再設置手順や交換部品の有無を確認しましょう。

一方で、取り外すときにドアの表面や塗装へどのような影響が出るかは、ドアの材質や状態によっても変わります。

賃貸の場合は、

  • 賃貸借契約
  • 管理会社・貸主のルール
  • 玄関ドアへの機器取り付け
  • 退去時の原状回復

を確認してから導入すると安心です。

マンションの共用エントランスと自室玄関は別に考える

オートロック付きマンションでは、もうひとつ注意したい点があります。

自室玄関へスマートロックを付けても、マンションの共用エントランスまで自動的にスマートロック化されるわけではありません。

自室の玄関ドアと、建物全体の共用エントランスでは解錠システムが別になっていることがあります。

そのため、

自室をスマホで開けられるようになれば、マンション入口からすべて鍵なしで入れる

とは限りません。

マンションで完全なキーレス生活を考えている場合は、

  1. 共用エントランスをどう開けるか
  2. 自室玄関をどう開けるか

を分けて確認しましょう。

エントランス側の解錠ボタンを機器で操作する使い方を紹介しているメーカーもありますが、共用部分に関わる機器の設置・利用は管理規約や管理組合の判断によります。共用設備へ手を加える場合は、事前に管理会社・管理組合へ確認してください。

注意
  • 賃貸借契約や管理ルールを確認する
  • 両面テープでも撤去時の原状回復を確認する
  • 共用エントランスと自室玄関は別の仕組みとして確認する

家族に合った解錠方法を選ぶ

スマートロックは「スマホで開けられる鍵」と考えられがちですが、現在はさまざまな解錠方法を選べます。

重要なのは、種類の多さではなく玄関を使う全員が困らないことです。

解錠方法向いている使い方確認したいこと
スマホアプリ自分のスマホを常に持ち歩く電池切れ・紛失時の代替手段
ハンズフリー荷物が多い、スマホを出したくない検知条件・動作環境
指紋・顔認証鍵やスマホを持たずに入りたい屋外パッド等の対応・電源
暗証番号子ども・家族・一時的な来客番号管理・一時コード
ICカードスマホ操作が苦手な家族対応カード・紛失時の無効化
専用キー・リモコン子ども・高齢者など登録できる台数・紛失時の対処
スマートウォッチスマホを取り出したくない対応機種・OS

スマホ・ハンズフリー

スマートフォンアプリは、多くのスマートロックで基本となる操作方法です。

製品によっては、玄関へ近づくと自動で解錠するハンズフリー機能もあります。

ただし、その仕組みは製品ごとに違います。スマートフォンの位置情報とBluetoothを組み合わせるものもあれば、Nature Lockのように専用スマートキー「Nature Key」を携帯して玄関前に立ち止まったことを検知するものもあります。SADIOT LOCK 2も、スマートフォンによるハンズフリー解錠に対応しています。

荷物で両手がふさがっている場合には便利ですが、いずれも動作条件があります。「必ずドア前で瞬時に開く」と考えず、メーカーが案内する仕組みと利用条件を確認しましょう。

指紋・暗証番号・顔認証

スマートフォンを持たずに解錠したい場合に便利なのが、玄関外側へ取り付けるパッド類です。

SwitchBotではスマートロックと組み合わせて使う指紋認証パッドやキーパッド、顔認証パッドがあり、スマートフォンを持たずに解錠できます。

CANDY HOUSEにも、指紋・暗証番号・ICカード(Suicaなどの交通系ICを含む)に対応するタッチ系製品と、顔認証などに対応するフェイス系製品があります。

こうした方法は利便性だけでなく、オートロック使用時のスマホ以外の解錠手段としても役立ちます。

ただし、外付け機器にも電池切れや故障の可能性があります。

指紋や暗証番号があれば絶対に締め出されない、という意味ではありません。

ICカード・専用キーも家族によっては使いやすい

スマートフォンを持たない子どもや、アプリ操作を避けたい家族がいる場合は、カードや専用キーも候補になります。

SADIOT LOCKには専用のリモコンキー「SADIOT LOCK Key」が、Nature Lockには専用スマートキー「Nature Key」があり、Nature Keyは1台のロックへ複数個を登録できます。

ポイント

自分が便利かだけでなく、家族全員が玄関を問題なく使える解錠方法かを確認します。スマホを使わない家族がいる場合は、別の解錠手段も検討します。

特にスマートフォンだけを唯一の解錠方法にすると、スマホを自宅へ置いたまま外へ出た場合や、バッテリー切れ・故障時に困る可能性があります。


オートロックで締め出されないために確認すること

注意
  • 短時間の外出でも外から開けられる手段を残す
  • スマホ以外の解錠方法も確認する
  • トラブル時の「最後の入り方」を決めておく

スマートロックの代表的な機能がオートロックです。

玄関ドアを閉めたあとに自動施錠できるため、鍵のかけ忘れ対策として利用できます。

警察庁も住宅を対象とした侵入窃盗について、「無締り」での被害が多く発生しているとして、短時間の外出でも施錠する習慣を呼びかけています。

ただし、オートロックを使う場合は締め出し対策をセットで考える必要があります。

ゴミ出しなど短時間の外出でも締め出しは起こり得る

典型的なのが、

  1. ゴミを出すため玄関を出る
  2. スマートフォンも物理鍵も室内に置いたまま
  3. ドアを閉める
  4. オートロックが作動する

というケースです。

メーカー側もこの点は前提にしています。SwitchBotは公式製品ページで、スマートフォンの電池切れなどに備えて外出時は従来の鍵を忘れないよう注意を促しています。SADIOT LOCK 2のように、宅配の受け取りやゴミ出しなど短時間の外出に向けて、オートロックを一時的に解除する機能を用意している製品もあります。

製品が変わっても、「自動で鍵が閉まる」という機能を使う以上、外から開ける方法を考えておくことが重要です。

スマホ以外の解錠方法を用意する

締め出し対策として考えられるのは、

  • 指紋・顔認証
  • 暗証番号
  • ICカード
  • 専用キー
  • 物理鍵

などです。

どれかひとつへ完全に依存するのではなく、トラブル時に別の方法へ切り替えられる状態にしておくと安心です。

たとえば普段はハンズフリー、うまく動かないときは指紋、それも使えない場合は物理鍵というように、自宅なりの「最後の入り方」を決めておきましょう。

なお、締め出し時の駆けつけや解錠に対応する独自のサポートサービスを案内しているメーカーもあります。対象製品・申込方法・期間・費用は各社で異なるため、気になる場合は公式ページで条件を確認してください。

物理鍵を残すかも考える

「スマートロックを入れたら鍵を持たなくてよい」と考える人もいます。

実際にキーレス運用できる製品はありますが、物理鍵を予備として持ち歩くかどうかは、スマートロックにどこまで依存するかを考えて決めましょう。

2026年に一般販売が始まったNature Lockは、Qrio Lockの設計・技術の提供を受けて開発された製品で、「鍵を持ち歩く安心はそのままに、操作の手間を限りなくゼロに近づける」というコンセプトを掲げています。専用スマートキーを、いつもの鍵と一緒に持ち歩くことを前提とした設計です。

「完全に鍵を持たないこと」だけがスマートロックの使い方ではありません。


電池切れ・通信障害・スマホ紛失に備える

スマートロックは電池で動く電子機器です。

購入前には普段の使いやすさだけでなく、

トラブルが起きたとき、どうやって家に入るか

まで確認しておきましょう。

トラブル時に確認したいこと
  • 電池残量の確認方法と交換方法
  • 電池切れ時の最終的な解錠手段
  • Wi-Fiやハブが使えないとき何が残るか
  • スマートフォン紛失時の対処方法

電池残量の通知と交換方法を確認する

スマートロックでは、電池残量低下をアプリなどで知らせる製品があります。

一方、電池の種類や寿命、予備電源の構造は製品ごとに大きく異なります。公式情報で確認できる範囲では、たとえば次のような違いがあります。

  • SwitchBot ロックProは単3電池で動作し、別売の充電式バッテリーにも対応しています
  • SwitchBot ロックUltraは充電式のメインバッテリーに加え、CR123A電池による予備電源を備えています
  • SESAMEシリーズではCR123A電池を使用するモデルがあり、6 Proには対応する充電式電池も用意されています
  • SADIOT LOCK 2はCR123A電池を使い、片側2本でも動作しますが、両側4本を入れると駆動期間が延びます
  • Nature LockはSIDE A・SIDE Bの2か所に電池を装着でき、両方に入れた場合は残量の少ない側から消費されます(片側のみでも利用できます)

つまり「電池が2系統あり、片方が切れてももう片方で動く」設計の製品と、そうでない製品があります。

「○か月持つから交換しなくてよい」と考えるのではなく、

  • 使用する電池の種類(コンビニで買えるかどうかを含む)
  • 残量の確認方法
  • 低電池通知
  • 交換方法
  • 予備電源の有無

を製品ごとに確認しましょう。

電池切れ時にどう解錠するか確認する

完全に電池がなくなった場合の対応も製品によって違います。

予備電池へ自動で切り替わる製品もあれば、残りわずかな電力で緊急解錠する仕組みを備えた製品もあります。既存のシリンダーと物理鍵をそのまま使える後付け型であれば、物理鍵を非常時の解錠手段として残せます。

重要なのは、

スマートロック本体の電池が切れたら、自宅では何を使って入るのか

を購入前に答えられる状態にしておくことです。

メーカー広告に「締め出しリスクをなくす」といった表現があっても、すべての故障やトラブルを防げるという意味ではありません。

最後の解錠手段まで確認しておきましょう。

Wi-Fiやハブが使えないとき何ができるか確認する

スマートロック本体とスマートフォンの近距離通信と、外出先から利用する遠隔通信では仕組みが異なります。

前述のとおり、外出先からの操作・通知・履歴確認には、各社ともハブやスマートリモコンなどの追加機器が必要です。一方、ドア前での操作はBluetoothなどの近距離通信で行う設計の製品があります。

そのためWi-Fiやハブに障害が起きた場合、

  • ドア前でのアプリ操作
  • 指紋・暗証番号・ICカード
  • 遠隔操作
  • 通知

のどこまで利用できるかは製品によって異なります。

「ネットが切れても全部使える」「Wi-Fiが切れたら一切使えない」と一律に考えず、購入予定製品の公式FAQを確認しましょう。

スマートフォンを紛失したときの対処も決めておく

スマートフォンを玄関の鍵として使うなら、紛失時の対処も重要です。

まず端末自体の画面ロックを有効にし、スマートロックのアカウントには推測されにくいパスワードを使用します。

メーカーが2段階認証などの追加保護機能を提供している場合は、その利用も検討しましょう。

また家族やゲストへデジタルキー・暗証番号などを発行した場合は、不要になった権限をそのまま残さず削除します。

アプリやスマートロック本体のソフトウェア更新も確認し、メーカーが案内する最新状態を保ちましょう。


スマートロックは防犯にどこまで役立つ?

スマートロックという名前から、

鍵そのものの防犯性能が大きく上がる

と感じるかもしれません。

しかし、特に既存サムターンへ取り付ける後付け型では、役割を分けて考える必要があります。

施錠忘れ対策として活用できる

オートロックを設定すれば、玄関ドアを閉めたあとに自動施錠できるため、鍵をかけ忘れる機会を減らすために利用できます。

また、製品や周辺機器によっては、

  • 施錠状態の確認
  • 施解錠履歴
  • 家族が解錠したときの通知
  • 一定時間解錠が続いたときの警告

なども利用できます。

警察庁が住宅侵入で無締りへの注意を呼びかけていることを考えると、施錠を習慣化・自動化することには意味があります。

ただし、スマートロックが正しく取り付けられ、正常に動作していることが前提です。

「スマートロックを付ければ施錠忘れが絶対になくなる」とまでは言えません。

後付けしただけでピッキング耐性が上がるわけではない

サムターンへ取り付ける後付け型は、室内側から既存の鍵を操作する機器です。

屋外側のシリンダー自体を防犯性能の高いものへ交換するわけではありません。

そのため、スマートロックを取り付けただけで既存シリンダーの耐ピッキング性能が高くなる、と考えるのは適切ではありません。

ピッキングやサムターン回しなど鍵そのものへの手口が気になる場合は、現在使用している錠前・シリンダーの防犯性能や、サムターンカバーなどの対策を別に確認する必要があります。

ドアや窓の物理対策の代わりにはならない

スマートロックは玄関の施錠管理を便利にする設備ですが、

  • ドアを工具などで破壊する
  • 窓ガラスを破って侵入する
  • 勝手口など別の侵入口を狙う

といった手口を直接防ぐものではありません。

住宅の防犯では、

侵入されにくくする対策

+

異常を確認・検知する設備

+

異常発生後の対応

を組み合わせて考えることが大切です。

防犯カメラや開閉センサーなど、ほかの機器と役割をどう分担するかは「防犯カメラ・スマートロック・開閉センサーはどう組み合わせる?家庭のセルフ防犯の考え方」で整理しています。

ポイント

スマートロックは玄関の施錠管理を助ける設備です。既存の錠前・ドア・窓そのものの物理的な防犯対策の代わりにはなりません。

玄関や窓を含む住宅防犯全体の考え方は、「ホームセキュリティの選び方|警備会社・セルフ防犯・併用型の違いを解説」で詳しく整理しています。


代表的な家庭用スマートロックを選び方の違いから見る

ここまで確認した選び方を、現在販売されている代表的な製品へ当てはめてみます。

ここで紹介するのは順位ではありません。

製品の仕様や周辺機器は変更されるため、購入前には各メーカー公式サイトで最新情報を確認してください。

SwitchBot|解錠方法やスマートホーム連携を広げたい場合の候補

SwitchBotでは、ロックLite、ロック、ロックPro、ロックUltraの4機種を展開しています。

特徴は、スマートロック本体だけでなく、

  • 指紋認証パッド、キーパッド
  • 顔認証パッド
  • ハブ製品
  • そのほかのSwitchBotスマートホーム機器

へ広げられることです。顔認証パッドはロック4機種すべてに対応すると案内されています。

電源の考え方も機種で分かれており、単3電池で動くロックProと、充電式バッテリー+予備電池を組み合わせるロックUltraでは、電池切れへの備え方が変わります。

一方、すべてのサムターンへ必ず取り付けられるわけではありません。

特殊な鍵では、公式適合ページや3Dプリンター部品の相談窓口を確認しましょう。

SESAME|本体と周辺機器を細かく組み合わせたい場合の候補

CANDY HOUSEのSESAMEシリーズには、SESAME 5、SESAME 6 Proに加えて、本体幅を抑えたSESAME 6 Pro mini、引き戸に対応するSESAME 6 Pro 引き戸などがあります。

玄関がドア枠ギリギリの場合や、上下にサムターンを動かす引き戸の場合は、こうしたモデルが選択肢になります。

指紋・暗証番号・ICカードを利用できるタッチ系製品、顔認証に対応するフェイス系製品、遠隔操作やMatter連携に使うHub3も用意されています。

特殊形状の鍵向けアダプターを公式で販売し、当てはまらない場合は鍵の写真を送って相談できる点も、適合確認時に見ておきたいポイントです。

Nature Lock|専用キーとハンズフリーを重視する場合の候補

Nature Lockは2026年4月に一般販売が始まった後付け型スマートロックです。

Qrio Lockの設計・技術の提供を受けて開発され、専用スマートキー「Nature Key」を携帯して玄関前に立ち止まると解錠するハンズフリー機能や、ドアの閉まりを検知するオートロックを備えています。

1つのドアに2つの鍵がある「ダブルロック」にも対応し、2台のNature Lockを連携させてまとめて解施錠できます(アプリと機器のソフトウェア更新が必要です)。

外出先からの施解錠、施錠状態や履歴の確認、電池残量や帰宅の通知などは、別売のNature Remoシリーズと連携して利用します。

「スマホだけに依存せず、専用キーも使いたい」という家庭では比較候補になります。

SADIOT LOCK 2|ハンズフリーとオートロックの扱いやすさを見る場合の候補

ミネベアミツミのSADIOT LOCK 2も、現在販売されている後付け型スマートロックです。

スマートフォンによる施解錠やハンズフリー解錠に対応し、ドアが閉まったことを検知してから自動施錠するオートロック、短時間の外出に向けたオートロックの一時解除機能などがあります。

外出先からの状態確認・遠隔施解錠には、別売のSADIOT LOCK Hub2が必要です。スマートスピーカー等との連携も考えるなら、Matter対応のHub2Mも選択肢になります。

スマートフォンを持たない家族向けには、専用リモコンキーのSADIOT LOCK Keyも用意されています。

購入時は本体だけで必要な使い方ができるか、追加機器が必要かを確認しましょう。

Qrio Lockを検討していた人は販売状況を確認

長くスマートロックの代表製品として知られてきたQrio Lockですが、ソニーネットワークコミュニケーションズの公式ページでは現在、Qrio Lockシリーズは販売終了(一部製品を除く)と案内されています。

一方、Qrio公式サポートでは、Qrio Lock(Q-SL2)シリーズについてサービス終了・サポート終了の予定はないとも案内されています。すでに使っている場合は、すぐに使えなくなるという話ではありません。

ただし、フリーマーケットサイトなどでの中古品購入は保証対象外とされています。中古品や流通在庫でQrio Lockを見つけた場合は、価格だけでなく、

  • 現在の販売状況
  • アプリ・サポート
  • 周辺機器
  • 保証の有無

まで確認したうえで判断しましょう。

なお、Qrio Lockの設計・技術は前述のNature Lockへ提供されています。これから新品で購入するなら、こちらも含めて比較するとよいでしょう。


購入前に確認したいスマートロックのチェックポイント

最後に、自宅用のスマートロックを購入する前に確認したい項目をまとめます。

確認項目見るポイント
1.自宅の鍵に対応しているかサムターンの形、高さ、回転方法、周囲のスペース
2.取り付けるスペースがあるかドア枠・ハンドルとの干渉、電池交換用の余白
3.家族全員が使える解錠方法があるかスマホ以外の手段が必要かどうか
4.オートロック時の締め出し対策があるかスマホを置いたまま出ても戻れるか
5.電池が切れたときどう入るか予備電源、通知、物理鍵などの最終手段
6.通信障害時に何が残るかドア前の操作と遠隔操作の違い
7.賃貸・マンションの条件取り付け方法、原状回復、共用部との区別
8.本体以外に必要な機器と費用パッド、専用キー、ハブなどの追加分
9.防犯上できること・できないこと施錠管理の設備であり、物理対策の代わりではない

この9項目を確認してから製品を比べると、「買ったのに付かなかった」「家族が使えなかった」「オートロックで外に出られなくなった」といったミスマッチを減らしやすくなります。


まとめ|「高機能な製品」より「自宅でトラブルなく使える製品」を選ぶ

家庭用スマートロックを選ぶとき、最初に見るべきなのはメーカーの知名度や機能数ではありません。

まず確認したいのは、

  • 自宅のサムターンへ取り付けられるか
  • 家族全員が使える解錠方法があるか
  • オートロック使用時の締め出し対策があるか
  • 電池切れや通信障害時にどう入るか
  • 賃貸・マンションの条件に問題がないか

です。

特に後付け型では、自宅の鍵との物理的な相性が最初の関門になります。取り付けられなかった場合の返品条件はメーカーによって違うため、購入前の適合確認は省かないようにしましょう。

そのうえで、スマホ、指紋、暗証番号、ICカード、専用キーなどから家族に合う方法を選びます。

オートロックは施錠忘れ対策として便利ですが、締め出しの可能性までなくなるわけではありません。スマホ以外の解錠手段や、電池・通信トラブル時の入り方も先に決めておくことが大切です。

また、スマートロックは既存の玄関錠すべての防犯性能を高める設備ではありません。

玄関や窓の物理対策、防犯カメラなどによる確認・記録、必要に応じた警備サービスなどと役割を分けて、自宅全体の防犯を考えていきましょう。

情報確認基準日:2026年8月25日

※製品ラインナップ、対応する鍵、周辺機器、価格、機能、アプリ・通信条件、販売条件などは変更される場合があります。購入前に必ず各メーカー公式サイトで最新情報をご確認ください。

※賃貸住宅・分譲マンションでの取り付け可否や原状回復の扱いは、契約内容・管理規約・住宅の状況によって異なります。必要に応じて管理会社・貸主・管理組合へ確認してください。